2022年の自作キーボード活動振り返り。
この文章は、キーボード #1 Advent Calendar 2022 – Adventar の5日目の文章です。
色々予定が詰まりすぎていたために先行して書くことにしました。
4日目は、 kushima8 さんの2022年自キ活動ふりかえり でした。
HOOK69でお絵かきの人向けにキーボード沼が広がりそうですね!
(あと本文に関係ないけど、ホライゾンのキーボード作られてた方でしたか)
はじめに
殆どの方は初めましてMachiaWorksと申します。
普段は仕事の傍ら音楽やゲームを作ってます。
ある日、利き手の腱鞘炎でフルサイズのキーボードどころか60%のキーボードが使えなくなり、更にマウスへの持ち替えおよびクリックができなくなったため、PCの操作が実質困難になりました。
このため代わりのコントロール方法を探していたところ、自作キーボードにたどり着きました。
主に40%程度のキーボードを使うことで問題を解決できました。
経緯とかこういう条件で自作キーボード使ってるよ、ってのは以下にまとめました。
(あと去年のアドベントカレンダーにも書いてましたねそういや)
自作キーボードで腱鞘炎の痛みを抑える工夫 – MachiaWorks (machiaworx.net)
上記の考えに至るまで、去年11月頃nomu30に手を出して以来とんでもない頻度でキーボードを購入・自作・設計してました。
ということで、1年目の自作キーボードを制作・組み立てた(カスタムした)活動についてログを残します。
前半は自作したキーボード、
後半は自分と同じ症状で困った方にはお勧めしたいカタログ的な記事になっております。
履歴
自分で設計したキーボード
- 50%キーボード「Tamahagane」
50%キーボード「tamahagane」 – MachiaWorks (machiaworx.net)
どういうレイアウトが自分に向いてるのか分からなかったので、まずは自分なりに想定するレイアウトを作ってみることにしました。横に結構長めなのはそのためです。今設計するなら幅を削ります。
最初はSU120でキーボードを作ってみましたが、ロースタッガードを手配線するのはすごく辛いと気づきました。
よってKiCadで設計し直し、PCBの製造を発注しました。
基板設計はやったことなくて失敗したらどうしようなんて考えてましたが、とりあえずはうまく動いたので問題なかった模様。(この後山のように失敗するしな!
現在はマイコンを剥ぎ取ってしまったので動かないやつですね・・・(丁度ProMicroが品薄になり始めた頃 - 30%キーボード「picobd」
疑似分割型キーボード「Picobd」 – MachiaWorks (machiaworx.net)
当時30%を使ってみたいが買えるようなものがないため自分で作ってみることにしました。
また、PCBAの必要がない形で最初に作れるキーボードをコンセプトに掲げました。
オープンソースで公開済で、読み方は「ぴこぼーど」です。
4列目にCtrl等を配置して親指で押すようにしたところ、割と快適にコントロールができることが判明ました。
また、中央にスペースを設けることで、少しだけ中央に指を集約させる打鍵フォームへの負荷を軽減できることもわかりました。
よって、今後も同様の傾向のキーボードを作ってみてもいいかなと考え始めてます。
続編のキーボードを作りたいところですが、選択するマイコンボードや4段目の構成をどうしたらいいか等考えることが多いため、少し時間がかかりそうです。 - 50%キーボード「Zerobd」
50%キーボード「Zerobd」 – MachiaWorks (machiaworx.net)
普段使いができるような40-50%のキーボードを目指して作りました。
マイコンはRP2040zeroです。
が、利用を予定していたファームウェアがエラッタ絡みで動作しないことが判明、またリセットボタンが付けられない・マイコンボードの都合上高さが結構なものになる等利用にも困難があり、半ばお蔵入りになりました。 - 分割キーボード「Crab48」(試作)
分割型変形Ortholinearキーボード「crab48」 – MachiaWorks (machiaworx.net)
蟹です。
元々Ortholinearも使っていたのですが、小指を伸ばして各種機能にアクセスするとき「1uサイズのキーをうまく打鍵できない」という状況だったため、EnterやCtrl/Shift等のキーを1u以上にすることを主に考え作成しました。
SU120で試しに作ってみたところ割と快適に打ち込めることを確認しました。
なので次はこれを作りたいところですが、手に力が入らず分割型使うのがためらわれる状況のため、今後はPicobdの拡張設計のときに一体型にして一緒に作ってしまおうかなと考えてます。 - MIDIキーボード&シーケンサ「umbra-tesela」
元々やりたかった目的を満たしたキーボードです。
設計は通常のキーボードと同様に行い、ファームウェアの開発は自分で行うことにしました。
おかげで「Velocity調整可能な鍵盤機能」「6tr・64tickのシーケンサ」「CC番号指定および値の入力が可能」という割と高機能なキーボードが作れました。
制作直後にDAW側のアップデートで諸問題が解決してしまったので使用頻度は減りましたが、手元でシーケンサを作れることを証明できたという意味では有用だったと思います。
今でもたまに手元に置いて困ったときはシーケンス走らせてます。 - 他
Planckケースベースのキーボードや分割キーボード等色々試してみましたが、失敗基板の山が出来上がりました。
組み立てたキーボード
ちょっと書き出したらあまりの量にびっくりしたので、説明書きが必要そうなものはトップ、あとは一覧で書いておくことにします。
主に入手した後内部をカスタマイズしてます。
- M0ii0
M0ii0。(KawaiiPCB) – MachiaWorks (machiaworx.net)
Kawaii。
トッププレートを持っていなかったので、SU120のプレートで事なきを得ました。
今だったらトッププレートを製造できそうですが、Github上のガーバーが正常に読めなかったため、自分でKicad上に長さ定義が可能にしたデータを作成しました。これから発注予定です。 - C-13X
C-13X。(オープンハードウェアをカスタム) – MachiaWorks (machiaworx.net)
オープンソースのキーボードをSU120を使って構築してみました。
マイコンボードはRP2040のものを選択。
配線をどうしようか悩んでましたが、キーボード内に納めることができたのでよかったなと。
この時初めてPMK firmwareを使ってみて、設定の楽さに驚愕しました。 - Sonatina ABQ
Sonatina ABQ。 – MachiaWorks (machiaworx.net)
ケースの重量がかなりのものですが、おかげで手でキーボードを抑えなくても打ち込みは可能なので楽です。
ケースの構造はトレイ+Oリングマウント、プレートはメタル、カスタムとしてトッププレート下にスポンジを追加済。
また、キー配置を気にし始めたのもこのキーボードからでした。 - The Van Keyboard Minivan
The Van Keyboards Minivan。 – MachiaWorks (machiaworx.net)
作者がクローゼット一掃するというので購入。
PCBがMinivan(ただこの番号はWiki上に記載なし)、ケースはおそらく公式Minivanケース(これもWiki上には記載なし)という割と謎が多いキーボードになります。
受領した時点でカスタムしており、ボトムマウントでクッションは敷設済、また謎のトグルスイッチが付いていました。
少し自分には使いづらい部分があり、配列変更、一部のヘタっていたスイッチは手持のものに取り替え済です。(トグルスイッチは手元に残してますが・・・どこで使えば良いんだろ)
ちなみにこのキーボードを改造するまで、キースイッチはタクタイルしか使ったことが有りませんでしたが、届いたときにリニア(赤軸)が付いていたため試しに使ってみると・・・超快適でした。
ということで今は自分で組み立てる時はすべてリニアのキースイッチにしてます。 - rainkeebs Twoyo
rainkeebs twoyo。 – MachiaWorks (machiaworx.net)
自分の中で、12uというサイズは使いやすいなという実感を得たキーボード。
ただ手の力がないので一体型にしないと辛いということも実感しました。
このキーボードについては、3Dプリンタで丈夫なキーボードケースを作ってみたり、Poronスポンジをピンポイントで接着して打鍵の負荷を逃してみる等色々カスタムした記憶があります。 - keebio dsp40
keebio dsp40。 – MachiaWorks (machiaworx.net)
最初3Dプリントでケースを生成したのですが、細い構成要素が多く部品が曲がってうまく装着出来ない上、打鍵感も満足いくものではなかったため、キーボードの構成を見直してサンドイッチマウントで可能なカスタムを行いました。
スペーサ、ゴム足は可能な限り高さを低くできるようにし、トップ-PCB-ボトム間のスペースにPoronスポンジを重ねて打鍵感を調整、最後にHubプロファイルという高さがかなり低い種類のキーキャップを利用してます。
上記によって、サンドイッチマウントながら快適な打鍵ができることを確認しました。
今のところ、一番使い勝手がしっくり来るキーボードです。 - Pomelo(Omnibus)
FruityKeeb Pomelo+Aeternus Omnibus。 – MachiaWorks (machiaworx.net)
ここ数日のメイン。
ガスケットマウントのキーボードで、打鍵感はおとなしいものの指への反発が気になったため、ケースの内側底面にPoronスポンジを貼ることにしました。
これで打鍵時の指にかかる反発を抑えることができ、かつキーがトッププレートを叩くときの反響を少し抑えることができました。
現在サイレントリニアのスイッチを装着しているため打鍵時に発生する音はわずかになってます。
あとスタビライザにルブ済。
その他
上記に負けずと言っちゃなんですが、カスタムしたりそのまま使ったりしてす。
- Idobao Abacus(ID42)
- Tofu60%+DZ60
- QAZ
- Mercutio
- ProgramYoink
- Mechvault Vault35
- Oxymoron
まとめ
電子工作に関する知見が大きくたまったので、困った時に電子工作+設計で自分でキーボードが作れることを知りました。
ですが・・・今年は買いすぎた&発注しすぎた・・・w(割と口座が見てはいけない状態になっていた
今後も腱鞘炎対策でキーボードを組み立ててみたり、音楽専用キーボードを作ったりして遊んでそうです。
また、手元にケースがいくつかあるので、ここに自作キーボードを載せるというアプローチも有効そうです。
6日目は、Romlyさんの「軸の秤を改めて紹介と新機能の進捗とか」です。
最後に
この文章はPomelo(Omnibus)で書いてます。
初めてのガスケットマウントケースだったのですが、金属の打鍵感をそれなりに抑えることができてるため、快適に打ち込めてます。