自作キーボードで腱鞘炎の痛みを抑える工夫
概要
MachiaWorksは、10年以上前から腱鞘炎を患ってました。
腱鞘炎と言っても部位によって違うと思いますが自分の場合下記の症状です。
腱鞘炎・・・自分の場合は手首を横方向に曲げることで痛みが発生
これを回避するのに工夫したことを記載します。
まず腱鞘炎がどの状況で発生するかというと以下の内容になります。
①キーボードの小指方向に手首を曲げる場合
小指方向に手を回転する場合、手首を操作することになり、
手首の内側および外側に強い負荷がかかってしまうことになりました。
自分の場合指が小さいこともあり、キーボードの各キーに指を思いっきり伸ばす必要があり、
手首を曲げながら指を伸ばした結果、予想以上に手首に負担がかかっていました。
②マウスでドラッグ&ドロップする場合
親指と人差し指(中指)でマウスを摘みながらマウスを移動する必要があるため、
親指根本の部分に負荷がかかり、長時間の操作が困難になりました
①②によって、主に手首(親指側)に対し強い負荷がかかり、
結果として腱鞘炎を発症していました。
去年9月よりこの腱鞘炎の症状が悪化しており、マウスを使うことはもとより
キーボードを操作することもままならなくなってきました。
ゲーム開発および作曲に明らかに影響があるため、
この症状を緩和する策として自作キーボードに手を出しました。
以下は効果のあった内容を簡単に列挙するものです。
1.自作キーボードの導入
すごく小さいキーボードを利用する形にしました。
変わった形のキーボードで有名なのがHHKBです。
Happy Hacking Keyboard | PFU (happyhackingkb.com)
HHKBのサイズは60%と呼ばれており、ファンクションキーやテンキーが省略されています。
英数字を問題なく打ち込めるためか、世界で制作されているキーボードサイズとしてはメジャーな扱いです。
HHKBの他にも自分でキーボードを作成しているコミュニティが存在しており、
一部のPCBが販売されてたりオープンソース化されています。
自分はこのジャンルの中で販売されている数もキー数も少ない「40%キーボード」を利用することにしました。
40%キーボードを導入することで、手首を曲げずにすべてのキーにアクセスできるため、
①のケースにおいて、手首を曲げることがなくなりました。
おかげで、腱鞘炎による痛みの要因のひとつを潰すことが出来ました。
ただ、40%キーボードはレイアウト的には英字と周辺キーしかないため、
どうやって数値キーを押すのかという話になります。
自作キーボードで使われるファームウェアの仕組みで、「レイヤーキー」という要素があります。
これはキーに別機能を割り当てることが可能という仕組みで、言ってしまうと数値キーに記号が
割り当てられているのと同じようなものが使えるわけです。
このレイヤー機能は自分でどのキーがどの入力かを設定できるため、不足しているキーを割り当てることも可能になっており、数値キーがなくてもレイヤー割当によって入力ができるわけです。
ちなみに上記の関係上同時押しが多くなりミスタッチが多くなる可能性もありますが、
打鍵自体できないよりはマシということで採用してます。
2.マウス機能をキーボードで利用
前述のレイヤー機能に関連しますが、キーボードでよく利用されるQMK firmwareの機能として、
マウス機能やファンクションキー、その他特殊な文字コードを入力ができます。
つまりキーボードでマウスポインタを操作できます。
自分はこれを利用して、②のドラッグ&ドロップをマウスで行わないようにしました。
また、②に関連してキーボードの持ち替えでも手首への負荷が発生していたため、
これをなくすことにしました。
即ちマウスのポインティングおよびクリックについてはキーボードで行うようにしました。
これで②の症状を回避することができました。
操作がし辛いことについては、もはや慣れです。
自分はマウスを物理的に取り外して、キーボードだけしか使えないようにしました。
また、マウスとキーボードを同時に使うようなやり方は困難です。
やるとしたらキーボードを2台用意する形になります。
ただ、テンキーサイズのキーボードでも同様のファームウェアを導入できるため、
マウスポインタはテンキーサイズに任せるということは可能と思料。
(自分の場合はデバイス持ち替えることは手首に問題があるものと割り切って、1種類のキーボードで操作してます)
3.オプション:分割キーボードを利用
肩こり回避のために分割キーボードを利用するというのもよく聞く話なので、
これを導入するのがいいかと思います。
4.少しの制約
・マウスでお絵かきするのは困難
・FPSのようにマウスとキーボードを同時に利用するジャンルのゲームは困難
ってところでしょうか。
今導入するんだったらどれがいいか
40%キーボード自体それほど数があるわけではないので、
個人で作成されてるキーボードを導入するのがいいです。
遊舎工房
Keyboard
Booth
https://booth.pm/ja/items?tags%5B%5D=%E8%87%AA%E4%BD%9C%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
日本だとオルソリニア(キーの並びが平行)+分割型が主流みたいで、
遊舎工房では上記の形式のキーボードを委託販売してます。
また、Boothでは個人で作成された方から購入できるので、
こちらも確認してみるのがいいかと思います。
海外のショップから買う等も検討材料になります。
Daisy
Daisy 40%
(ただQMKじゃない別のやつっぽいのでファームウェアを改めて書き込む必要があるかも)
また、海外でも個人で販売している方もいらっしゃるので
そういう方にコンタクト取ってみるのもひとつです。
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自分にピッタリだったのは「横幅12u程度のロースタッガード」のキーボードなのですが、
流石にそんなものが常に在庫販売しているわけではないのです。
(Daisyはまだマシですけど。あとBM43)
ということで、最後は基板から自作することになります。
最近は海外の業者に発注すると比較的安く基板を製造してくれるので、
これを利用する形になります。
自分で作るようになってしまったそこのあなた、
キ ー ボ ー ド 沼 に よ う こ そ
■番外編
自作キーボードに手を出さない場合、以下のデバイスがあります。
らくらくマウス
専用機になるのでお高めになります。
(こっちも検討したんですけど、デバイス持ち替え時に手首を痛める危険性があったので取りやめました)