Teenage Engineering OP-1購入
記載時から2年前の連続休暇中に機材を買った。
いつものように放置になるかと思ったけど、結構曲作るのに組み込まれていて、
自分にしては珍しく頻繁に使用するシンセになってる。
いくつかの観点で感想を書いていく。
レビュー
音楽機材のレビュー記載基準(20210101時点) – MachiaWorks (machiaworx.net)
上記基準に則って記載するもの。
- 属性
シンセ/エフェクタ
シンセとドラムマシンとエフェクタとレコーダーが入ってる - 操作方法(5段階)
1(簡易)
シンセ・ドラムマシンへのアクセスは1ボタンで行えるため、
音色切り替えや調整、ストックを行うのが早い。
また、レコーダーも1ボタンで切り替え可能で、ボタン同時押しみたいなのがあまり存在しない(集約されてる)のがポイントかと。
単体で完結する音源としてはすごく完成度が高いため、まず単体で音やフレーズを作って、そこから録音するのが早いかもしれない。 - アウトプットの幅(5段階)
4(そこそこ広い)
シンセとサンプラーなので割と広め。
またレコーダーが存在するので、それを利用したフレーズの多重録音等できることがいっぱいある。
ただ、音作りは後述するけど制約が割とあるので、制約との付き合い方がキモかもしれない。 - 音色の操作系(5段階)
1(簡素)
実際のところ多いんだろうけど、機能をボタンでまとめてあるため、いじれる部分は少ない。
逆に機能を絞り込んで特色を出している。
まず、VCO-VCA-VCFみたいな構成が、ないw
具体的には、「音源」「エンベロープ」「エフェクト」「LFO」の4系統のみ。
音源はその名の通りで、FM音源からマジで制御できんのかこれ?みたいなものまで揃っている。
エンベロープは上記で言うところのVCAになる。
エフェクトも特色のあるものが揃っており、どれもこれも特殊効果ばかりだよ!
LFOもソースはもとより反映先が自由に設定できるため、エフェクタや音源を更にひねり倒す事ができる。
今までの知識は投げ捨ててOP-1と対話すると面白い音が出てくる。 - 機種特有の音が出るか(5段階)
5(超ユニーク)
代替なんてきくわけねえだろ!www
総じてクセの強い音源なので、代替できるものは少ない。
逆にフィルターワークみたいなのが苦手という側面もある(フィルタはエフェクトに内包されているため、機能を利用すること自体が困難なケースあり)ため、普段使う際も音作りを他のシンセと同じに考えずに使っていくのが早い。 - IF(5段階)
2(簡素)
入出力がヘッドホンジャックで1系統ずつ。入力端子はスルー+ミュートを選択可能なので、
OP-1経由で音を出すことも可能。主に用途はサンプリングになると思うけど。
あとUSB端子がついており、これで充電+MIDI入出力の制御を行う。
MIDIコントローラとして使うのもアリだと思うけど、Velocity固定・ピッチベンドがついてない事を考えると、用途は絞ったほうが良い。 - 備考
ユニークすぎて代わりの機器なんぞ思いつかないレベル。
本体の小ささを含め、シンセサイザーとして遊ぶのがすごく楽しい。
■機能の種類
本体にスピーカ付いててシンセ付いて、さらにシーケンサやレコーダが付いてるとかかなり万能感ある。
これによって、本体であらかじめ作り込んでおいて、DAWに録音して音を補完することが可能になってる。
逆にOverBridgeみたいな便利な機能がついてる訳ではない。
特徴的なのは「シンセ・スピーカー・レコーダー・シーケンサがひとつの機器に集約されてる」という部分かと。これによって使い勝手がかなり良い。
ちなみにMIDIコントローラとしても使用可能。
■シンセ部分
FM音源・パルス等に限らずADSRエンベロープはついてるし、LFOのルーティングが比較的はっちゃけているため、音の作り込みは深掘り可能。
ただ、EQとかの機能はついてないので、最終的にマスタリング的な位置づけで別の機器使うことになる。
(レコーダーには付いてるけどそれ使うのか、という話)
ちなみに今のファームウェアだと8種類のシンセサイザーから使用するものを選択できる。(パルス・8bit音源・弦楽器シミュ等)
個人的にDr.Wave(8bit音源)がすごい好き。WaveTableというよりは波形メモリ音源に近い質感の音が出る。
ADSR・LFOを足すと意外と昔の音源っぽく音を鳴らせるのでは?と思う。
ちなみに、LFOの影響先はもとより、ADSRの1要素を影響元としたりランダマイズ、外部入力をソースとして調整可能。
自分で作った一例としては、単なるLFOだけではなくADSRの値自体を変更させながら発音も可能という。
■シーケンサ・レコーダー部分
シーケンサは複数種類があるが、いずれもメリデメが存在するため、使い分けが必要。
(例:エンドレスシーケンサはステップ入力のため、メロディ入力に向いてる、パターンシーケンサは16ティックしかないが複数パート入力できるので、メモ程度にドラムやシーケンサを入力するのに向いてる等)
レコーダーは4トラックしかないが切り貼りや調整、ループ位置の切り替え・変更等が行えるため、演奏させる時にそれほど困ることが少ない。
また、同時にシンセサイザーやドラムの発音が可能なため、レコーダー再生+ループ切り替えしながらシンセサイザーの演奏、ということも可能。(実際やった)
ただ、逆に機能が分かってないと単に録音を重ねるだけの機能になってしまうことに注意。(それでも問題はないと思うけど)
あくまでOP-1上のレコーダーは簡易的なものと割り切って、多重録音やDJプレイ、フレーズ作成等単機能として使うことで、「手元で簡単にフレーズ・リズム等を作り込んで再生ができる」OP-1のメリットを享受することができると思った。
録音ソースについては、「内部のシンセ・ドラム、外部、出力全部、なし」から選択。
出力をすべて録音というかたちにすると音がダブるケースがあるので、録音ソースを確認しておくこと。
■外部機器との接続
外部機器(主にPC)との接続は簡単に行なえるが、データの保管や名前変更、フォルダ階層の作成もPC上で行うことになる。
よって、PC操作も必要になってくることに注意。
また、新規にファイル配置・削除等した場合、リブートが必要になるため注意。
MIDIコントローラとしても使用可能、手元で場所を取らないため、ノートPCで曲作るのとかと相性がいいんじゃないかと思ってる。(自分はデスクトップ+OP-1で曲作ってる)
ちなみに各ソフトで再生/録音等のファンクションボタンが使えない時があるので注意。(というよりも設定してない、ってのが正解かも。Reasonだと完全に対応してる)
■まとめ
- シンセはオシレータの種類とLFOの複雑さが特徴
- シーケンサは使い分けが必要、レコーダーはDAWみたいなものではなくざっくりと録音するためのもの
- ファイル管理にはPCが必要なため少し面倒