Vienna Ensemble Pro導入。

概要、メリデメ、使用用途について走り書きしときます。

■概要

VEPとは、DAWとは別プロセスで起動するアプリケーションである。
アプリ内にVST/AUを読み込めて、これをDAWと連携して使う。
スーパー乱暴な言い方だとRewireに近い使い方ができる。

■詳細

VEPはサーバプログラムとしてPC内に起動して使う。
この中にVST/AU等プラグインを読み込むことができる。
使用するときはサーバクライアント型のアプリケーションとして使う。

具体的には、以下の流れ。

  • DAW上でVEPサーバ接続アプリ(VST)インスタンス作成
  • VEPアプリから特定サーバへ接続する
  • VEPが外部プロセスで起動する音源として動く

以下、特徴を記載。

  • 他のPCで起動および連携が可能。すなわち複数台PCを用意して、
    DAW用PCとVST再生用PC、という形での分割が可能。
  • DAWのエクスポートにも対応。オフラインレンダリングが可能
  • 複数のプラグイン規格を混ぜて利用可能。
    DAWからは読み込んだ先はMIDIトラックでやりとりを行うため、
    VEPで32/64bitVST両方を読み込んだり、AUを読み込んだりできるみたい(Mac限定)
  • CPU効率に優れてる・・・みたいだけどいまいちその恩恵にあずかれねえ
  • VEP上でInstへのエフェクトは利用可能。(VST読込可能)
    また、オーディオのルーティングも確認済み。
    (例:DAW→VEP→DAW)

メリット

  • DAWと別プロセスで動くので、VST読み込んだおかげでDAWを巻き込んで強制終了することが少なくなる。
  • VSTを他のPCで起動することで、負荷分散が可能になる
  • DAWを使い分ける際、VEPを1インスタンス起動しておけばVSTを共有できるので、DAWを開いて毎回VSTを読み込む手間が省ける
    (例:ギターやオーケストラの大容量サンプル)

デメリット

  • DAWとVEP、2個のソフトウェアを使っていくため、操作が煩雑になる
  • DAW側でVEPが正常に読み込めない場合どうしようもない
  • VEPを起動した分、DAW単体を起動するよりも負荷は増大するため、それを許容する分のPCの性能は必要
  • 複数台を使う場合、DAW操作の知識以外にネットワーク関連の知識が必要

こういう人は使ったほうが良いかも

  • 大規模なオケとか作る人、ごりごり大容量ギターやベース音源を使う人(俺
    あらかじめオケや音源のテンプレートを読込できる
    16パート以上使う場合もインスタンス分けて読み込めば対応可能
  • 複数のDAWを使い分ける人(俺
    一度インスタンスを起動すれば、あとはDAWで読み込むデータは
    少なく抑えられるため、リトライや強制終了時の手戻り時間は最小限になる
  • DAWと相性の悪いVSTを使ってる人(俺
    少なくともVEPのインスタンスが作成できればなんとかなる
  • DAWとRewire使うようなひと
    操作が煩雑になるけど、使い方はRewireと似たような感じになる

その他

  • VEP上で設定するレイテンシーは演奏に関するレイテンシー。この値が大きいほど反応がよくなるみたい。ただDAWのオーディオエンジンにもアクセスしているらしく、一部のDAW(FLStudio、Reasonで確認)だと音切れが発生する。このケースではレイテンシーを「none」にすることで回避可能
    参考資料:
    https://www.vsl.co.at/community/posts/t48271-Is-VEP-compatible-with-FL-Studio#post269154
  • 16トラック以上使う場合は、インスタンスを複数起動すること。(あくまでインスタンス1個で16trまで、という形らしい)
  • Reasonみたいに1tr=1出力みたいなDAWについても、VSE EventInputというプラグインを読み込めば、
    MIDIトラック番号を指定して読み込める。