ソフトシンセから音楽始めた人のハードシンセ導入の手引き。

突然何を書いておる

いや、ふと思いつきましてね。
一度もハードを使ったことがない人とかソフトからハードに移行するような人の参考になればと思います。

ちなみにキャッチの写真も一応ハードシンセ使ってる光景ですよ。
個人で作られてるハードで「G.I.M.I.C.」ってやつ。
お試しでOPN3Lのリズム音源鳴らして遊んでました。

(当初)自分はどんな環境・ソフトで作曲してたのか

作曲何もしらない状態から色々作ってみてます。
最初ソフトシンセからいじり始めました。

当時出ていたソフトで、OrionPlatinum・Reason・FLStudio(あとACIDもあったと思う)から選ぶかたちでした。ハードシンセはオーディオIFを買う必要があり、自分は構成が分からなかったのでOrion(ソフトのみ)を選びました。出力はASIO4ALL。

そこからずーっとソフトシンセメインで作ってましたが、ここ数年ハードシンセを利用して録音したりソフトと混ぜて使ったりとやりたい放題してます。
ただ、最初からハードシンセの録音については想定してハードをいくつか持ってるんですが、全然導入がうまくいかなかったんですね。
面倒なので放置してソフトシンセだけで作曲してました。
そんなことを数限りなく行っていたけど、ここ数年はハードシンセ録音することをストレスなく行えてるんですね。

そこで、ソフトシンセ使いだった自分が数限りない挫折の結果、ストレスなくハードシンセを使えるようになるかをメモることで、移行の参考になればと思い文章を書くものです。
(状況の棚卸ともいう)

ソフトシンセからハードシンセに転向する場合のネック

1.録音すること

これはハードシンセ使う際は避けられません。
DAW上に録音するにしてもルーティング(音声信号をDAWに持ってくる設定・配線等)が必要です。
ルーティングに際し、オーディオIF・DAWの設定・OSの出力・ハードシンセの出力等が絡んでくるのもあり、超厄介です。できるならここを簡略化したいのです。

2.ハードシンセの音をソフトシンセと同様に聞くこと

これ地味に面倒です。
何が面倒かと言うと、
・ハードシンセを録音する
・オーディオIFが出力のみを担当
・DAWは録音のみで音がでない
みたいなことが起きた場合、ハードシンセの設定を弄れば出力できるのか、オーディオIFの設定なのか、はたまたDAWの設定を弄ればいいのか、切り分けが激しく面倒です。
(DAWの場合、通常の出力と録音出力を混在しないように「出力しないで録音」というのも可能なので、操作方法がわからないとなおさら聞けないというのがストレスです)

3.ハードシンセとソフトシンセでコントロール方法が分断されること

地味に辛いポイントです。
初期化を忘れがちだったり、さて録音しようと思ったらハードシンセのほうが動いてなかったりBPMがSyncしてなかったりして録音時に辛い目にあったりします。

ハードシンセ導入の際に準備しておくもの

1.オーディオIFはループバック機能が付いてるものを買え
まぁ高くなくてもいいけど、UR22mkII・Rubix24・evo4・UAC-2等「ループバック機能が付いてるものを買いましょう。

ループバックは、内部機能としてソフトシンセの音とハードシンセの音を同時に出力できる機能。(DAW機能でできるケースもあるけど、単体でも可能なものがある)
これがあるとソフトシンセの音を確認しながら、ハードシンセの音を調整みたいなことも可能です。

かつ、PCで作業している人(ソフトシンセ使ってる人だとPC作業だよね)だと今まで使っていた出力から変えなくて済むのがありがたいです。

自分が使ってるIFは、
・RME Babyface
・Roland Integra-7

です。

RME Babyface(というかRMEのIF)は、内部でルーティングの経路を設定できるため、「ソフトシンセの音はこのルーティング」「ハードシンセの音はこのルーティング」みたいなことも可能です。
トリッキーな使い方として、パラアウト出力した場合に一度に録音みたいなことも可能です。(Babyfaceの場合入力数に少し限度があるけど、それでも機能は十分)

あと、RolandのIntegra-7は・・・これ音源ですね!
ただ、音源のほかに「オーディオIF機能がついている」んですね。
しかも4ch(ステレオ2chが2系統)。
つまり「音源として使うことは可能」「かつミキサーが付いてる取り扱い」なんですね。(買ってから知りました)

自分の場合、その4chを使って
・ハードシンセ最大2台の入力をIntegra-7にミックス、Babyfaceに流す
・モノラル録音が必要な場合は本体側のジャックからの録音で対応、もしくはDAW側でモノラルにする

という事を行ってます。

あと、Integra-7にはANKERの2ch→1ch変換のケーブルを常時挿しておいて、ハードシンセにジャック接続すれば録音が可能という環境を構築してます。
ちなみにDAWを起動しなくても、Babyfaceの設定だけでPC上にハードシンセの音を出力することが可能です。

ちなみに。
USBを直接接続することでオーディオ出力ができる機器も存在します。
(うちに・・・VirusTISNOWとかM8Trackerあったわ)
が、この方法だと場合によってはノイズが載るケースがあるのでご注意ください。

2.DAWでハードシンセの音出力する機能を調べろ

自分が利用しているDAWにはほぼ間違いなく外部出力を取り込む機能が揃っているはずなので、まずはそれを確認してください。

あと、「出力をそのままアウトプットする方法があるか」も確認しておいてください。

個人的にはAbletonLiveが録音の取り扱いが超簡単なので、オススメです。
ミキサーの設定やルーティング、オーディオIFからの出力を細かく、かつ簡単に設定できるので自分はこのDAWを使っているところがあります。
他のCubaseやStudioOneは別途ミキサー起動して確認したりトラックの設定弄ったりするのが面倒ですし、Cakewalk Bandlabは(SONARの時代使ってましたが)そもそも対応IFが限定されてる時点でビキビキきてました。ビキビキ。
Reason・FLStudioも問題ないんですが、ReasonはオーディオIFが1種類しか選べないので、ASIO4ALLみたいなの使ってると辛いかもしれません。
また、FLStudioはEdisonみたいなソフトをもって録音することになるのと、ミキサーの設定で出てこないIFだと録音できねええええええって事になりかねません。(録音したWAVの取り扱いも割と特殊ですよねFLは)

あとはDAWによってはダブリング(内部ループバックとPC上の出力が重なって音の大きさが2倍になる。このまま録音すると想定した大きさで録音ができないだけではなく、音割れや表現に差異が出る)が発生したりするものもあるので、「PCからの出力か」「DAWからの出力か」は分けて確認するのがいいかもしれません。

3.DAWとの連携機能を調べておけ

MIDIでSyncするのかAbletonLinkを使うのか、更に言うとClik信号を使うのか等考えることは多いですが、まぁMIDI信号を利用するのが早いんじゃないですかね。

ただの音源であれば、MIDI OUTの制御方法を控えておいて出力するようにして、オーディオIFから録音することができます。
MIDIのケーブルはUSB-MIDIでもいいですが、mioというデバイス(今も売ってるかな?)がUSBからMIDIケーブルを引っ張ることができるので取扱いやすいです。

自分の場合、Integra-7をUSB-MIDI接続してコントロールしています。
またDAWとの連携もVST3で音色エディタが起動できるのでこれを使って調整してます。
ただ、そろそろ単体のソフトか本体直接いじってコントロールしたほうがいいかもと考え中です。

そのほかのハードシンセはUSB-MIDIかmioを利用して接続、上記の通りIntegra-7→BabyfaceでPC上の出力にまとめる、という形を取っているため、ハードシンセを起動してすぐ演奏ということが可能です。

シーケンサが付いてる機器についても上記と同様のため、演奏が楽だったりします。
ヘッドホンを長時間付けなくてもPCからの出力で音を聞くことができるのもあって、ヘッドホン装着時の締付け等もなく済んでます。
ただ正直シーケンサはMIDI入出力を付けて、再生タイミングくらいは同期しておいたほうがいいかも。
(録音のときにいっせーのーせーで流すタイミングの制御もできるので)

できない場合はDAW上で音を流して、任意のタイミングでシーケンサを流すのがいいかと思います。
タイミングが変わっても後で発音タイミングの調整はできますし。

最後に

ハードシンセについては単体のものだったり、ユーロラックなんても出てきたりしてるけど、それに代替できるものとしてではなくソフトシンセはソフトシンセでいろんな製品が出ているので、両者は別に処理するのではなく、同時に処理(録音・視聴等)できる方が取扱が楽であろうと思います。

走り書きに近いところありますが、この記事が読んだ方の参考になれば幸いです。